アトピー性皮膚炎とスキンケア保湿

~アトピーとスキンケアの関係について~

アトピー性皮膚炎とスキンケアについて紹介しています。スキンケアでアレルギー発症を防げるか?アレルゲンに感作しやすい肌や皮膚のバリアが破壊されるとどうなるのかなども解説しています。

~スキンケアで発症を防げるか?~

アトピー性皮膚炎にとってスキンケアとはなんでしょう?以前は、スキンケアは単に対症療法の一つにすぎませんでした。なぜなら、アトピー性皮膚炎はアレルゲンが作用する病気だから、スキンケアをしたからといって発症を抑えることはできないと考えられていました。しかし、最近では、スキンケアによってアトピー性皮膚炎そのものの発症をコントロールできるという考え方が支持されるようになってきています。つまり、スキンケアによって皮膚を健康な状態に保つことで、皮膚炎の発症を防ごうという積極的な考え方です。

~アレルゲンに感作しやすいカサカサと乾燥した肌~

アトピー性皮膚炎の場合、炎症をおこしている間は、皮膚が赤くなったり、ジュクジュクしたりしています。しかし、そうではない状態のときにも、肌がカサカサして粉をふたようになっていたり、ときには皮膚の表面がひび割れたようになっていたりしがちです。このような「乾燥肌」は、アトピー性皮膚炎をおこしやすい「アレルギー体質」の人特有の肌の状態です。ところで、皮膚には下の図のようにいくつかのバリアがあり、外部からの刺激や病原菌、アレルゲンは容易に中に入り込めないようになっています。しかし、いつもカサカサざらついているアトピー性皮膚炎の人の皮膚は、1番外側にある皮脂バリアがない状態になっています。このような状態の皮膚が汗をかいてそのままにされたり、刺激の強い繊維の服を着せられたりすると、さらにダメージを受け、2番目の角質層のバリアもほころんでしまいます。そして、カサカサしているうえに、刺激を受けやすくなった皮膚は、とてもかゆくなります。かゆくてひっかくうちに3番目のバリアもダメージを受けます。こうなると、アレルゲンは容易に皮膚から侵入してきます。このような悪循環を断つために、スキンケアの必要性が出てくるわけです。

~ 皮 膚 の し く み ~

~皮膚のバリアが破壊されるとどうなるか?~

従来はⅠ型アレルギー(IgE抗体が関与するアレルギー)の代表例とされていたアレルギー性皮膚炎が、Ⅳ型アレルギーによってもおこることがわかってきました。実は、皮膚の3番目のバリアあたり(基底層)はⅣ型アレルギー反応と深いかかわりのある、ケラチノサイトがあり、ランゲルハンス細胞やTリンパ球が活発に活動するところなのです。このあたりまでアレルゲンがたどりつけば、Ⅰ型のアレルギー反応はおこらなくても、Ⅳ型のアレルギー反応をおこすチャンスが非常に高くなってきます。皮膚が乾燥しやすい生活環境(冷房や暖房のききすぎ、密閉型の住居など)や、皮膚刺激を助長するようなものがあふれている環境(合成洗剤、合成繊維、洗浄剤、塗料など)を振り返ってみると、IgEとかかわらないアトピー性皮膚炎が増えているといわれるのもうなずけるような気がします。


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